ええ女性(ひと)に、出会えた ページ37
「もう、吹っ切れてるんやろ。」
話の節々や語尾からは、未練など微塵も感じへん
「ごちゃついとった気持ちが、整理できたからかもしれん。一人でおったら、もうちょい引きずってたわ。」
「まぁ、いろいろあったしね。」
含みのある言い方をする直人
気になったけど、詮索せぇへん方が身のためや
それより、もっと気になることがある
「一人やなかったって、どういう意味?」
「臣ちゃんと・・・、臣ちゃんや。」
臣ちゃんだけやなかったんやね
そこは、誤魔化そうとしても聞きだすで
「誰?」
だって、悔しいやん
私ら二人を差し置いて、相談されとった人がおるなんて
誤魔化せないと思ったのか、すぐに吐いた
「ルームメイト。」
「直人、知ってた?」
「いや、初耳。相手は、どんな人?」
「—――というわけで、一緒に暮らすようになって。アイツと居るとめっちゃ落ち着くし、居心地がようて。今までにない感覚ですわ。」
表情豊かに、ルームメイトとのことを教えてくれる
ピンときたわ、健二郎の言う「アイツ」が女の人だって
「好きなんやね、その人のこと。」
「え、えっ?」
耳まで真っ赤やし、確定やん
「ええ女性(ひと)に、出会えたんやね。よかったやん。」
あの時とは違って、心からそう思えた
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作者名:薫 | 作成日時:2021年5月7日 18時