Dear my besties 10 〜from Finally〜

☆ ページ40

結花は黙り込んだ。


長い沈黙。


気配から、これは泣いてるな、と俺は覚悟を決めた。


いいよ、俺が受け止めてやる。



「ぜーんぜんだいじょぶ！」


明るい声に思わず結花を見やると、きりりとした表情で空を見上げていた。不思議だ、確かに泣いている気配がしたのに。


ふと、こいつはエリーには手に負えないかもしれないな、と思った。もっと年上の、器の大きな男じゃないと。暴れまくり、自由に飛び回るこいつを手のひらのうえで踊らせるような大きな男じゃないとムリなのではないだろうかと思った。

アニキの欲目か、とこころの中で苦笑する。


俺のそんな複雑な胸の内など知りもしないイモートが口を開いた。


「こないだね、直人さんとはじめてふたりだけでゆっくり話したんだ。あのひと、ホントいいひと。信頼できるおとな。でね、めちゃくちゃだったあたしがなんで前を向けたかっていうと、Aさんと一緒に生きていくことで未来に希望を持てたからなんだって話したの。そんなひとと出会えたあたしは超最強なんだぜって自慢しといた」


イモートがちいさく笑って続けた。


「ありがとう」


思いがけない素直な声に言葉を失う。

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