Dear my besties 10 〜from Finally〜

☆ ページ39

「なーんであたしがおごんなきゃなんないのよぉ」


結花はほっぺたを膨らませながら財布を揺すって小銭を取り出している。


「だって急いで追っかけたから財布忘れちったんだもーん」

「ったくー」


と言いながらも結花は笑っていた。




庭園を見渡せるベンチに並んで腰をおろしてペットボトルのお茶を飲んだ。


「オニイサン……だいじょうぶ？」


全く同じ言葉を言おうとしていた俺は思わず息をのんだ。


「なにがだよ」ついぶっきらぼうな口調になる。


「Aさんのこと。あ、でもだいじょぶだよね、一緒に儀式したもんね。もう家族って気持ちだよね」


どんどん早口になる結花が愛おしかった。俺のかわいいイモート。


「俺をなめんなよ？」


ですよね〜とおどける結花とふたりで笑い合ってから「おまえは？ 大丈夫か？」とつい言ってしまった。

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