Dear my besties 10 〜from Finally〜

☆ ページ29

「お母さんにはなんでも言いなさい」


気持ち悪い声で武士医者が言うと激しいブーイングが飛んだ。


武士医者はブーイングなどものともせず、嬉しそうにうなずきながら腕組みして海と富士山とオレたちを眺めていた。





それからのオレたちは修学旅行でもこれほどははしゃがないだろうというくらいはしゃいでいた。


部屋も食事も風呂も最高に素晴らしかったけれど、なにより脱衣所で四人並んで腰に手を当ててコーヒー牛乳を飲んでいるときに武士医者が言った「いまAさんの体調は大変落ち着いています。数値も安定しているし、なにより本人が前向きですから。大変いい兆候です」という言葉を聞いてからみんな一気に活気づいた。


誰からともなく「修学旅行と言えば枕投げでしょう」「そうだよ枕投げしようぜ！」「枕投げ枕投げ！」という言葉が出て、オレたちは部屋へダッシュで戻り、押し入れからあるだけ枕を取り出して、これだけでは足りないと座布団も引っ張り出して、枕座布団投げをはじめた。

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