Dear my besties 10 〜from Finally〜

☆ ページ28

エリーが顔をくしゃくしゃにして泣き出した。


いままでに彼が受けてきた傷を思うと胸が痛む。


彼の優しさ、気持ちの大きさの源がわかった気がした。涙もろいこころの柔らかさの理由も。



「てかそれってさ、豚肉が食えないとかいうのと同じだろ」と臣。


そうそうとうなずきかけた首がとまる。

沈黙。

思わず武士医者と顔を見合わせる。


臣は鋭いようでいて、こういうどこかすっとぼけたところがある。そこもかわいい。



「そーれは……どうだろうな」とオレが笑うと臣があわてて近寄ってくる。「なんでですかー、体質っていうかなんていうか」

「まぁまぁ、いいけどさ。とにかくエリーはエリーだよ。オレたちの末っ子。かわいい末っ子！」


そう言って合わせた手のひらに入れたお湯を飛ばしてエリーの顔に命中させる。エリーが叫び声をあげた。そして顔をこすりながらつぶやいた。


「よかった。ずっと言いたかったのに言えなかったから。こんなに思ったことを言い合えるってすごく幸せだしうれしい。オレ、はじめてだよこんな風にひとと付き合うの。なんていうか気持ちがものすごく伝わってる感じがする」

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