Dear my besties 10 〜from Finally〜

☆ ページ27

男四人で肩までお湯につかりながら、燃えるような富士山をすげーと口々につぶやいて眺めていた。


たまたま露天風呂にはオレたちだけだった。


エリーの声が唐突に響く。


「あの。ちょっと聞いてもらってもいいですか」


そう言ってエリーがふっとちいさく息を吐いた。


「オレ……ゲイなんです。ゲイっていうかバイ」


臣がうつむいて顔にぱしゃりとお湯をかけた。知っていたらしい。

なんかすいませんとうつむいて小声でつぶやくエリーに身体ごと向き合った。


「すいませんってなんだよ。……なぁなんでそんな顔してんだ？ それって悪いことか？」

「悪くはないですけど……親友だと思ってたのにキモいって態度が変わったやつもいたんで……」

「生まれつき同性にも気持ちが向かってしまうタイプの人間の割合は一説には40人に1人とも12人に1人とも言われています。学術的にも異常なことではないとされています」


武士医者も驚いた様子はまったくない。


「ホント、そうだよ。なぁエリー。そんな話を思いきってオレたちにしてくれてありがとう。うれしいけどさ、でもそれがどうしたんだよ。エリーはエリーだろ？ オレたちのおまえへの気持ちはなにも変わらないよ」

「そうだよ。家族ってことにも変わりはない」臣が言い、武士医者も大きくうなずく。

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