Dear my besties 10 〜from Finally〜

☆ ページ24

海に沈んでいく夕焼けと背後の赤く燃える富士山を、結花とお風呂に浸かりながら交互に眺めた。


はしゃいでいた結花が徐々に言葉少なになっていく。


「あたし……」


そう言ったきりとうとう結花は黙り込んだ。


泣いている気配がして隣の結花をのぞきこむ。結花は決然とした表情で夕日を見つめていた。


つやつやとした頬が夕日に照らされて赤く染まっている。



不思議だった。確かに泣いている気配がしたのに。


結花がこちらを見る。頬を真っ赤に染めた結花は健康的な美しさにあふれている。それを見てもいまのわたしはもうこころを乱されることはない。ひとつ、大人になれたのだろうか。


「Aさん」

「んー？」


そう答えるわたしを見て、結花はなんともいえない表情を浮かべた。

そして「ったくもー！」と叫んでぱしゃりとお湯をたたいた。


「Aさんが男のひとに好かれるの、よくわかるわー」

「なーに、それ」


思わず笑う。

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