Dear my besties 10 〜from Finally〜

☆ ページ18

わたしたちが今日泊まる部屋は木立に囲まれた離れの和室だった。

とても広くて寝室が3つもあり、部屋付きの露天風呂もある。共有スペースは20畳はあるだろう。


みんなでひとしきりあちこち探検したあと、本館にある食堂へと向かった。


素晴らしい食事だった。少しずつ美しく盛られた海の幸、山の幸。きれいな色がセンスよく配置されている。当たり前すぎて彩りということについて最近忘れていたかもしれない。頭の片隅にメモする。

結花は携帯で写真をとりながらなんと本当にメモをとっていた。こういうところ、意外とアナログで微笑ましい。最近は特にまじめで勉強熱心になった。


「昔は勉強なんて大嫌いだったんだけどさぁ、いまはだいすき。この仕事のためならなんでも知りたい学びたいってもうこころの底っから思うんだよね。ひとって変わるもんだねぇ」とこの間ノートを片手に心底不思議そうに言っていた。


頼もしかった。




驚いたことがひとつ。食事のときにだれひとりとしてお酒を頼まなかったのだ。


「オレウーロン茶」「俺も」「オレコーラ」「えりちゃんこどもか！ ……あれ？ コーラか。いいな。じゃああたしもコーラ！」「おい！」「僕もコーラで」「あはは！ 先生もこどもだった！」「こんなデカいのに！」


笑っているみんなに声をかける。


「……なんで？ なんでお酒飲まないの？」


みんなが顔を見合わせる。

☆→←☆

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す