Dear my besties 10 〜from Finally〜

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それにしてもいい天気だ。絶対絶対晴れてほしかったから、すげぇ嬉しい！


運転しながら思わず口笛を吹く。

助手席の臣がちいさくふふっと笑った。


「なーんだよー」その頭を小突く。

「いや、楽しいなぁと思って」

「な！ すげぇ……」唐突に涙がこみ上げて、そんな自分に驚いた。「……しあわせ」声がかすれる。このところ涙は突然やってくる。


そんなオレの腕を軽くパンチしてから動きを止め「うわー、なんか昔の……武士みてぇ」と臣がつぶやいた。


まっすぐ前を見据え、歩道に姿勢よくたたずむ小林先生は正真正銘の武士だった。


「オレ、こころの中で武士医者って呼んでる」「ははっ！ すげぇぴったり！」




「本日は、いえ、二日間、どうぞよろしくお願いします」と言いながら乗り込んできた小林先生に「先生、あだなで呼ばれたりすること、あります？」と聞くとあっさり答えが返ってきた。


「ハイ。なぜか理由はよくわからないのですが医局では侍、と呼ばれております」


思わず臣と顔を合わせて爆笑する。


明るい光の中、オレたちの笑い声と「なんですかぁ〜」という小林先生の情けなさそうな声に包まれて車は走り出した。

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