Dear my besties 10 〜from Finally〜

☆ ページ11

新緑がきれいだ。

目が痛くなるほどの緑と日の光。そして青空。


助手席の臣は真っ赤な目でしきりにあくびをかみころしている。


「なに、寝てないの？」

「うん、ちょっと……」


どうせ飲んでたんだろ。


オレのこころを読んだかのように「飲んでませんよ？」と臣が付け加える。


「そうだ直人さん、禁酒、一緒にしましょうよ。願掛け。俺たちみんなやってるんですよ。Aの病気が治るための願掛けです」


あぁ、そういえばそんな話をしていたなと思い出す。

えぇ〜……。温泉で酒飲まないなんて……。


「酒抜きの温泉なんてとか思ってるんでしょ」


こいつは読心術でもできるのか？

オレは大声で答えた。


「わーかったよ！ オレもいまこの瞬間から酒やめる！」


臣が「よっしゃー」とこぶしを握った後、盛大にあくびした。

☆→←☆

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す