Dear my besties 10 〜from Finally〜

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明るい笑顔で話すAさんはあの泣いてばかりいた頃とは別人のようだった。



頭のいいAさんは病気について自分なりの折り合いをつけたんだろうなと思う。体調の良さもその気持ちを後押ししているのだろう。

それにしたってこんな大変なことをこんな若さなのに、ものすごいはやさで気持ちにけりをつけたAさんが誇らしかった。さすがあたしのAさんだ。



確かにAさんは元気だったし食欲もあった。大きな病気を抱えているようにはとても見えない。お客様も仕事の関係者も誰も気づいていないと思う。


このままいけるんじゃないかとあたしも密かに思っている。



その一方でそんなはずがないとも思っている。




こころのなかは毎日シーソーのように浮き上がったり沈んだりを繰り返している。




直人さんが口をとがらせて言う。


「わかった。じゃあ完治したら、そのときは絶対に結婚すっからな？」

「すっからなって」とえりちゃんが吹き出した。

「そのためにも最大限の努力をすることを誓います」小林先生が右手を掲げた。


無口だけど、せんせーは頼りになる。

みんなが信頼を寄せているのがその表情でわかる。

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