第19章 No.1 ページ28
しゅこしゅこしゅこ
「ねーさっきからなーに、それ」
「ん? ん〜〜〜これね〜〜〜〜〜〜」
暦では春になったけれど、まだまだ寒い日が続いている休日の今日。わたしと直人はレンタカーを借りて遠出して海に来た。
今度はみんなで大きな車を借りて五人で来るのもいいかもしれない。そうだあったかくなったらバーベキューなんてしたら楽しそう。はしゃぐ結花とエリーくんを想像して思わず微笑む。
今年に入ってから臣、エリーくん、結花、そして直人とわたしという五人のメンバーでもう何度も食事をしたり出かけたりしていた。
わたしのことを守ると約束してくれたのを実行しているというのもあるけれど、実は五人で遊ぶのがとても居心地が良くて楽しいんだとずいぶんたってから臣が告白すると、みんながいっせいにうなずいたので笑った。
夜はたいてい誰かがうちに来て食事していったり、みんなでエリーくんの店で飲んだりして過ごした。
いまでは五人でいることがすっかり当たり前になっていて、ふたりきりで出かけるのが新鮮なくらいだった。
おいしい海鮮丼を食べて、海岸沿いを歩いた。海を見渡せる砂浜の流木の上に座ったところでサングラスをかけた直人がおもむろに取り出したのはゾウさんだった。
「かわいっしょ? 霧吹き、これ」
それはゾウさんの鼻から水が出る形の霧吹きだった。
かわいらしく陽気に微笑むゾウさんの前足のレバーをひくと、鼻から水が出る仕組みらしい。
「あーあ」とためいきをつきながら、からのゾウさんの前足を何度も引いている。
しゅこしゅこしゅこ
わたしは微笑みながら海を見やる。
頭上の空は雲に覆われているけれど、水平線のあたりはすっきりと青空が見えている。
こんなふうに曇った海もまたいいなと思いながら潮の香りを胸いっぱいに吸い込んだ。
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happysmile2015(プロフ) - こげおさん» えぇっ、理想の男性像? すごぉい光栄…。これからもどうぞよろしく! 気合いいれて書いてます。 (2019年3月1日 14時) (レス) id: 3291f08f6f (このIDを非表示/違反報告)
happysmile2015(プロフ) - ともさん» そう、あとりゅうくんもね。そうそう。りゅうくん、いつ出てくるんだろうね! 必ず出てくるからね! (2019年3月1日 14時) (レス) id: 3291f08f6f (このIDを非表示/違反報告)
happysmile2015(プロフ) - ユキさん» ドラえもん…。ドラえもん苺ロールケーキ恵方巻き…? またしてもユキさんの言語が外国語のように感じる…。おもしろい! (2019年3月1日 14時) (レス) id: 3291f08f6f (このIDを非表示/違反報告)
こげお(プロフ) - 実はFinallyの直人さん、理想の男性像。こんな人おる?いかに今までの男性がダメンズだったか、、。 ホンマに、生きるとはなんだろうと考えてしまうよねー。私の頭じゃ大した答えはでまへん。 (2019年2月28日 0時) (レス) id: 1da8556258 (このIDを非表示/違反報告)
とも(プロフ) - smileさん〜もちろん!読み続けますよ!ちょっと辛いけど…きっと大丈夫なはず…。後…隆くんも。 (2019年2月27日 19時) (レス) id: d8c1577b42 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:happysmile2015 | 作成日時:2019年1月26日 10時