登坂広臣に、嫁ぐことです

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臣「あれ、Aさんは？」

「急遽、別の現場に呼ばれたそうだ。」

臣「一華ちゃん、本当？」「

一「ごめんね、私だけで。」

臣「マジか・・・はぁ、残念。」


明らか、テンションを下げる臣

その言葉と態度に、傷ついた顔を見せる一華さん

臣は、そんなことにも全く気づいていない様子で携帯を弄っている

Aさんに、LINEをしているに違いない


一「臣君。」


臣の前に立ち、一華さんが声をかけた


臣「ん？」


臣は、携帯から一華さんへと視線を向けた


一「これ、探していたモノじゃない？」


一華さんが、鞄から取り出した雑誌を広げて手渡している

受け取った臣の顔が、嬉しそうに綻ぶ


臣「そうそう、これ。ありがとう。」

一「ねぇ、買うの？私もお揃いで、」

臣「Aさんに、プレゼントしたくて。」


見事に一華さんをスルーして、自分の言葉をかぶせた


一「でもそれ、Aさんの好みじゃないわ。」

臣「わかってないなぁ〜。」

一「何が？」

臣「これ、Aさんが好きなデザイナーのアクセだから。」

一「へぇー。」


一華さんだって素直な人じゃないか

臣だけだろうな、気づいていないのは


臣「やっぱり俺が、Aさんの事を一番よくわかっているよな〜♪」


鼻唄交じりで、ご機嫌な臣

そんな臣を見つめる切ない視線

耐えられない・・・

誰か、早く、来て下さい

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