登坂広臣に、嫁ぐことです

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健二郎side


臣ちゃんの様子が、変

ぼーっとしているかと思えば、ニヤついたり

さっきから、百面相中やねん


岩「臣さん、Aさんの具合は？」

臣「だぶん、大丈夫だと思う。」


心配事があるのか、臣ちゃんの表情が暗なる


「たぶんって、ずっと一緒におったんやろ？」

臣「うん。」

岩「もしかして、追い出されたとか？」


ないない、それはないわ

臣ちゃんの事やから、何を言われても傍におったはず


臣「違うし。」


ほらな


臣「さっき、いろいろあって。」

己「いろいろ？」


奥の方にいた直己さんが、臣ちゃんの言葉に反応して飛んできた


臣「Aさんの元彼が、訪ねて来まして。」


例の浮気男が？


己「何しに？」

臣「よりを戻しに。」

己「は？」


直己さんの顔が、めっちゃ険しなる


臣「「今もAのことが、好きだ。」とか言い出して。」

己「自己中な男だな。」

臣「そうですよね。しかも浮気の原因は、Aさんにあるみたいな言い方で。」

己「Aさんが、原因だと？そんなこと、あるわけないだろ。Aさんとつき合えるだけでも、ありがたいのに。浮気なんかしたら、罰が当たる。」

「えっと、直己さん？なんや、発言が臣ちゃんみたいになってますよ。」


臣ちゃんより熱くなっている直己さんに、俺たちはびっくり


己「ん？」

臣「Aさんとつき合えるだけでも、ありがたいのに。って、どういう意味ですか？」


ほぉー

直己さんは、Aさんなんや


己「俺、そんなこと言ったか？」


えー、自覚なしなん？


岩「言いましたよ。」

己「そ、そうか？それは、あれだ。」

隆「一般論でって、意味でしょ？」

己「そうそう。特に、深い意味はないからな。」


めっちゃ、ありありですやん

臣ちゃんの疑いの眼差しから逃れる様に、視線を逸らす直己さん


隆「それで、Aさんはどうしたの？」

臣「はっきりと、無理だって言ってくれた。」


ホッとした様子の直己さん

もう、バレバレですやん

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