登坂広臣に、嫁ぐことです

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「本当なのか？」


元彼さんが、俺に問いかけてくる


「今、一緒に暮らしています。」

「Aが同棲？嘘だろ。」


俺の答えに驚いた様子の元彼さんが、Aさんを見る


「臣だから、一緒に暮らせているの。」

「俺と別れて、すぐ？」

「お互い一目惚れだったし。」

「何が一目惚れだよ。口車に上手く乗せられただけだろ。芸能人が相手だなんて、遊ばれているとしか思えない。」


睨みつけてくる元彼さんに、余裕がある様にみせる


「芸能人だからって、誰しもが遊び人だと思わないでもらいたいです。俺は、一途ですから。」

「よく言うよ。メンバー内で、熱愛報道が一番多いくせに。浮気も二股も平気でしそうなタイプに見えるけど？」


うﾞー、痛い所を突かれた

Aさんと出会う前までは、そうだったさ


「心配無用。今の彼は、私しか見えてないから。ね、臣。」


見たことのない優しい笑顔を向けてくるAさん


「は、はい。」


こんな状況なのに、ドキドキさせないで欲しい


「和樹とやり直す選択肢は、私の中にはない。」


はっきりと言い切ったAさん


「わかった、今日のところは帰るよ。」


何かを考えている様子の元彼さんは、黙って玄関へ向かう


「いずれわかるだろうが・・・辛い思いをするのは、Aの方だぞ。」


何を言い出すかと思えば、そんな思いを俺がさせるわけないだろ


「いい加減にしてくれませんか。もうあなたは、過去の人だ。俺たちのこれからに関わらないで下さい。」


隣で頷くAさん


「今は、何を言っても無駄の様だな。また、連絡する。」


Aさんの頬を素早くひと撫でして帰った


「顔、洗ってくる。」

「あ、はい。」


いつものAさんに、戻っている

さっきまで纏っていた柔らかい雰囲気は、封印されてしまった

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