登坂広臣に、嫁ぐことです

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広臣side


一「それでね・・・臣君、どうしたの？」


Aさんの様子が変だ

どうしたのかな？

好きなお酒を飲んでいるのに、浮かない顔をしている


「Aさんに、何かあった？」

一「ううん、何も。仕事も順調のはずよ。」

「そっか。例の海外出張だけど、長くなりそう？」

一「予定では、2週間くらいかな。」

「出発は？」

一「来週の水曜だったかな。」


やっぱり、おかしい

具合、悪いのかも


一「それでね、出発の前日に会って、」

「ちょっと、行って来る。」

一「え、臣君。ちょっと、待って。」


呼び止める声を無視して、Aさんの元へ


「一緒に来てください。」


Aさんの腕を掴み、店の奥へ


「何の用？」


おでこに、そっと手を当てる

案の定、熱い


「熱ありますね。髪を乾かさず、床で寝たからですよ。あれほど、髪を乾かしてベッドで寝て下さいって言ったのに。」


顔色も優れないし、気怠い空気を纏っている


「お酒を飲んでいる場合じゃないですよ。」

「お酒じゃないし。」

「ウーロンハイでしょ？ほら、貸して下さい。」


Aさんが、手に持つグラスを取り上げ一口飲む

お酒ではなく、ただのウーロン茶


「体調不良の自覚有りですか。」


グラスを返す


「挨拶も済ませましたし、さっさと帰りましょう。」

「帰らない。」

「悪化する前に、薬飲んで寝て下さい。」

「嫌だ。」

「嫌じゃありません。」

「まだ仕事、終わってないから。」

「今日は顔合わせだけですし、帰っても大丈夫ですよ。」


ちらっと店内の様子を窺っているAさん


「明後日の打合せに休む方が、マズイでしょ？」

「わかった、帰る。」

「HIROさんと一華さんに声かけたら、帰りましょう。」

「一人で帰れるから。」

「一緒に帰ります。いろいろ無さそうで、心配ですから。」

「でも、」

「帰りに薬局で薬を買って、冷蔵庫の中身も補充しないと。さ、行きますよ。」


HIROさんたちに挨拶をして、タクシーに乗ってマンションへと急いだ

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