Dear my besties 4 〜from Finally〜

☆ ページ46

「前から思ってたけどオニイサンって男のくせにたいして食べないんだねー」

「いいか、イモート。男のくせにという冠言葉はセクハラだ。わかるか？」

「すいません、なに言ってんのかよくわかりません」


思わず笑う。

仲のいい兄妹だ。



ここ数日ずっとどうしてももつ鍋が食べたくて夜の部のない食事当番の今日、絶対に作ろうと決めていた。ちょうど食事しようと誘ってきた臣もメンバーに入れた。鍋は人数が多い方が楽しい。


「おいしいなぁ。いやホントにうまい。いい奥さんになるよ、A。冗談抜きに本当にそう思う」

「お客様に喜んで食べていただくための腕ですから」

「でもさ、愛する男に喜んで食べてもらうのが女性には一番のしあわせじゃない？」

「お客様に喜んで食べてもらうのも同じくらいしあわせですー」

「ですー」

「うるせー。マネすんなイモートめ。なんかその言い方ムカつく。うりゃ！」


デコピン。


「いった！ イタイ！ マジでイタイんですけど！ うりゃ！」


デコピン返し。


「か〜〜〜〜！ イテ〜〜〜〜〜！」


ふたりのやりとりに思わず笑う。そのはずみに頭がずきんと痛んだ。やだな、まただ。


臣がちらりとわたしを見る。




最初に三人でうちで食事をしたときにはどんな雰囲気になるかなと不安だったけれど、思いがけず楽しい夜になった。

なにより兄妹の仲の良さが場をなごませた。


それ以来三人で家で食事をする機会が増えている。臣の誘いを断るのも角がたつし、ふたりきりよりも気楽だし、なにより楽しいのでわたしも歓迎していた。

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