you ページ34
『まさかと思うけど、ちゃうやんな。』
モニターに視線を向ける。
岩田が、苦笑いしながらこちらを振り返った。
『・・・入ってもらったら？』
「やだ。」
モニターに映る、怪しすぎるほど派手な集団。
『やばいんちゃう？』
「でも、」
『しゃーないやん。』
「椎名さん。」
いつもとは違うトーンで、私を呼ぶ岩田。
『何？』
「ねぇ、出て行かない？」
きゅっと服の裾を掴み、首を傾げて見上げてくる岩田。
「ねぇってば。」
答えをせかすように、くいっくいっと裾を引っぱってくる。
『服が伸びるわ。』
あかん、あかん、ぽーっとしてる場合ちゃうし。
ペシッと手を振り払い、モニターの通話スイッチを押す。
『今、開けますね。』
「は、はい。」
手前に居た直人君が、慌てて返事をする。
ムッとしている岩田の両頬を摘まむ。
『そんな顔しなや。』
「ひゃって、」
『出て行かへんから。』
頬を摘まむ私の手に、岩田の手が重なる。
そのまま頬から手が離され、ぎゅっと握り締められた。
「今の言葉、忘れないでよ。迎えに行って来る。」
嬉しそうに去る背中に、もれる溜息。
『・・・不覚や。』
一瞬でも岩田を可愛いと思うなんて。
健二郎が、あんなこというからや。
―――例の同居人さんが岩ちゃんの好きな人
記憶の言葉を追い払うように、ブンブンと首を横に振る。
ないない、アノ岩田やで。
真に受けて痛い目に遭うのは、ごめんやわ。
『騒がしい夜になりそうや。』
ドアが開く音がし、覚悟を決めて玄関へと向かった。
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薫(プロフ) - コメありがとうございます！岩ちゃんを書きたくなって始めたもののどう展開しようか迷い中です(-_-;)気の向くまま頑張って書きます(笑) (2018年10月15日 5時) (
レス) id: becf62c358 (このIDを非表示/違反報告)
レモン(プロフ) - 新作おめでとうございます。ひょんなことから同居することになりドキドキしながらお話に引き込まれました。更新楽しみにしてます！ (2018年10月14日 21時) (レス) id: 94b5bb7cb2 (このIDを非表示/違反報告)
薫(プロフ) - しをちゃさん» コメありがとうございます！私の中の直己さんといえば、こうかなって感じです(笑)楽しんで頂けて嬉しいです。今後もよろしくです（＾ｕ＾） (2018年10月9日 17時) (レス) id: 5d982d1368 (このIDを非表示/違反報告)
しをちゃ(プロフ) - 楽しいお話ありがとうございます！直己さんの下りはあの映画からでしょうか( *^艸^)また楽しみにしています！ (2018年10月9日 16時) (レス) id: 2f52667945 (このIDを非表示/違反報告)
薫(プロフ) - コメありがとうございます！更新遅いくせに、書きたくなってしまったので(^^; 頑張って書きます！ (2018年10月4日 10時) (レス) id: becf62c358 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：薫
| 作成日時：2018年10月3日 23時
