dash9 ページ9
☆A’s eyes☆
連休前の最後の部活。
やっぱり走ってるときが一番楽しい。自分らしくいられる。
人にどう見られているか、とかダメな自分、とかなにも考えずにすむ。
身体が軽い。いま、最高に調子がいい。ぐんぐん走れる。
6月の大会に向けて調整中だけど、今回は記録が出せるかもしれない。
嬉しくて気分が高揚していた。
今日は15キロ走って、あとは軽く流すだけ。
わたしの前にサッカーボールが転がってきた。
サッカー部の人が遠くから駆け寄ってくる。
ユニフォームをみると、大学生と混じってプレイしている付属高校選抜の子だとわかった。うちの大学にはわたしが通っていた附属女子校と附属の共学校がある。この子は男の子だから共学の方の子。
つるんとしたかわいい顔。ふふっ、子供みたい。高1とかなのかな？
高揚した気分のまま思わず「すごぉい。選抜に入ってるなんて上手なんだねぇ、すごいねぇ」と言いながらボールを投げ渡すと、むっとした顔で「ガキ扱いすんな！」とふくれた表情でボールを受け取った。その足さばきがすでにすごい上手。
わたしをまじまじと見つめる。かわいい顔だなぁ。子犬みたい！
「あれっ？ お前何組だよ？ 3年？ にはいねぇよな？ 2年か？ あ、附属女子？」
A「ふふっ、わたしは高校生じゃないよ、大学生。あぁ、そっかこのシャツ、高校の時のだからね」
ふぅんとわたしの顔をみてから「大学生には見えねぇなぁ…。おまえ、彼氏いんの？」なんてナマイキな口をきく。
そんなの教えなぁいといったら「どうせいないんだろ、オレの彼女にしてやんよ」とさらにナマイキな口をきいた。
「ナマイキなこと言うんじゃないの」と言いながら、子供というよりも男子を感じて緊張しはじめた自分が情けない。
「オレね、岩田。岩田剛典。隣の附属の3年ね。お前陸上部だろ。あとで部室の前で待ってるから、ID交換しよ」
あまりの押しの強さに、わたしは返事もしないで逃げるように走り始めた。
子供のくせに！ 子犬のくせに！
こんなとき頼りになる彩乃は休みだし。
男子慣れしていない、はっきりものが言えない自分が悔しかった。
まぁ相手は年下だし、という気持ちもあって断りきれず連絡先を交換したわたしは、それから怒涛のLINE攻撃を受けるのだった…。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 654人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
happysmile2015(プロフ) - みちゅさん» キュンキュンレポート（笑）ありがとう！ ここから臣くん、エンジンかかりますのでよろしくね♪ぜひまた感想聞きたいです。ありがとう☆ (2015年7月5日 7時) (
レス) id: f29149646d (このIDを非表示/違反報告)
みちゅ(プロフ) - 冷静な臣君、冷静でいられない臣君。どっちにもキュンキュンです！！ 2もすぐ読みます！ (2015年7月5日 2時) (レス) id: cd09dba1d6 (このIDを非表示/違反報告)
莉沙(。・｀ω・´)(プロフ) - はい！応援してます！ (2015年7月4日 1時) (レス) id: 4409ca6c3d (このIDを非表示/違反報告)
happysmile2015(プロフ) - 莉沙(。・｀ω・´)さん» わーい、ありがとう！ がんばるー！ (2015年7月4日 0時) (レス) id: f29149646d (このIDを非表示/違反報告)
莉沙(。・｀ω・´)(プロフ) - この小説大好きです！これからも頑張って下さい!! (2015年7月4日 0時) (レス) id: 4409ca6c3d (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：happysmile2015
| 作成日時：2015年6月29日 10時
