奪取！

dash15 ページ15

☆A ’s eyes☆


隆二さんに送ってもらって家に帰り、階段をあがって自分の部屋に入ろうとしたら、上半身裸のお兄ちゃんが窓に寄りかかって立ってこっちをみていて、仰天した。

階段から落っこちるかと思った。


広臣「どーだった？ デート。やった？」

A「なにをですか？」

広臣「なにをってオレに言わせる？」

A「っていうかその格好、なんですか！」

広臣「シャワー浴びたんだもん。まぁいいや。隆二も家の前まで送ってただ手を振って別れるってほんとキモイわ」

A「みてたんですか！」

広臣「みえたの！」




この間のそんな会話を思い出しながら、朝練のストレッチメニューをこなしていたら、岩田くんが近寄ってきた。


岩「おっはよ〜A！」

A「おはよ。早いね」

岩「陸上部、今日連休前の最後の朝練があるっていうからわざわざきた」

A「なんで？」

岩「ばっかだな！ Aと早朝デートするためだよ！」

A「…わたし朝練してるんだけど…」

岩「いいじゃん、なんか食いにいこうよ！」


「おーなにやっとんねん、遊んでないでA、さっさと走れや！」


健二郎先輩が遠くから声をかけてくれた。


はーいと答えて走りだす。助かったぁ。

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