Dear my besties 3 〜from Finally〜

☆ ページ27

「それと山下さんのことなんだけど。……どう思う？」


結花ちゃんの表情がくもる。


「わーけわかんないよね。ずっと見てたけどなんも変わってない。ホントこないだのあの最後の一言だけなんだよね。あたしたちの聞き違いだったのかなって本気で思うくらい」

「でも三枝さんも、あのひと普通じゃないから気をつけてっておっしゃってた」


料理教室のリーダーの優しい笑顔が浮かぶ。


「今度小林先生にもそれとなく聞いてみる」


あぁ、全然病院行ってないやと気持ちがふさぐ。


「ま、なんかあればあたしがシメるから任せといて。よく様子みながら対応するから」


回転いすごとくるりと回って結花ちゃんが口調を変える。


「そっかーそんなに売上あがったんだね。やったぁ。じゃあさ、これから飲みに行かない？ 売上あがったよ祝い！ 結花ちゃん昇給やったぜ祝い！ あたしがおごるよ！」

「なに言ってんの。そんなわけにはいきません。それならミーティング後の食事会ってことにして領収書もらって経費で落とそう」

「わーいやったー！ じゃあさ、いいとこあるんだ。友達の店、行こう！」


そう言って結花ちゃんがいそいそと携帯を取り出した。



「予約とれるかな〜」



お互いなにげないふうを装っているけれどふたりで外に食事に出るのははじめてだった。少しだけ緊張していた。




そしてそれ以上に楽しいうきうきとした空気がその場を支配していた。

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