Dear my besties〜from Finally〜

☆ ページ5

思わず微笑む。

直人は本当に優しい。想いをおなかにためずにはっきりと出す。いやな時にはまっすぐにいやだなと言う。うれしいときには言葉だけでなく表情で、身体全体で、表現する。


素直な、ひと。

明るい太陽のようなひと。



だから、いまこのひとは本当はどう思ってるんだろうなどという邪推は必要ない。


直人はそのままを見ればいい。


こんなになんの不安もなく、愛されていると実感できるひとははじめてだった。


なにごとにも慎重なわたしも、このひとにはそのままの想いをぶつけなければと素直に思える。


立ち止まってすぐに返事を打つ。


【おはよ。虹、わたしもいま見てた。今日はきっといいことがあるね！ 直人は今日はどんなスケジュール？ 夜、お店が終わった頃においでよ。ごはん食べようよ】


付き合い始めてまだ半年。けれど、わたしばかりが誘うのはまずいかななどという駆け引きも、もちろんこのひとには最初から必要なかった。


つまり、ありのままの自分を出すことができる。


それは直人の人徳というか、生まれ持っての彼の性質がそうさせている。




携帯をしまいながら思う。


虹には太陽が必ず必要なんだよね。雨も。まるで直人とわたしみたい。明るい太陽としとしととこころを湿らす、雨。



雨。

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