はるばる君を【RJ】 (ページ6)

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『ここが体育館で、』

RJ「わあ、広いんだね」

『確かに広いかも…授業の時は真ん中で分けて男女別にしたり、どっちかがグラウンド使ったりしてるよ』

RJ「へえ…」

昼休み、賑わう校舎内をゆっくりと案内してくれた。

今は体育館。休み時間でもこうやってハツラツに遊ぶ子達、この後疲れないのかな、なんて余計な心配をしてしまう。

そんな体育館を通り過ぎようとすると、やっぱりAに皆の視線が行っていた。

まるで貴重な美術作品を見るような眼差し。当の本人はと言うと、全く気にせず前を歩いていた。

RJ「ねえ、みんな見てるよ？」

『気にしなくていいよ』

RJ「そうなの？ならいいけど…」

じゃあ次は音楽室行こう、とAが振り向こうとした時。

後ろからこの子の名前を呼ぶ声がして、俺も振り向いた。

？《A！お前体育館なんか来て何してんの、別に休み時間にわざわざ運動するタイプでもないやろ笑》

『《転校生の案内をしてるだけ！》』

？《ふうん、転校生…ああ、もしかして中国人の？》

『《悠太先生も知ってるの？》』

YT《悠太先生やなくて悠太くんって呼んでくれんの？》

目の前で繰り広げられるハイスピードの日本語。

恐らく教師だと思われるこの人は俺の方を見ると、その大きな目で俺の目を捉えて、《よろしく！》と手を差し伸べてきた。

RJ《おー…よろしく、おねがいします》

『《…あ、悠太先生って韓国語できるんじゃなかった？ロンジュンくん韓国語喋れるって》』

YT《あ、マジ？》〔俺は体育教師のユタだよ、よろしくね〕

RJ〔わ、韓国語喋れるんですか…？！〕

ちょっとだけ怖そうに見えたこの人も、言葉が通じ合えば何となくいい人のように感じられた。

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