はるばる君を【RJ】 (ページ5)

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制服も届いて、日本での学校生活が始まった。

先生がくれた、授業中に役立つ学習時用の辞書を使いながら、日本語がさっぱり分からない俺にとっては念仏のような授業を聞き流す。

外国人に手厚いこの高校は、多少成績が悪くても卒業させてくれる、と聞いたから気楽ではある。

…後、隣に中国語の分かる子がいるから、いくらか安心だ。

『ロンジュン、その辞書役立ってる？』

RJ「まあ、それなりに？」

『中国語の数学の用語とかは私も分からないところが少しあるから…そういう時は辞書使って、他は私に聞いていいからね』

RJ「ごめんね、たくさん頼る事になりそうで」

『ううん、全然大丈夫。お昼は校内色々案内するね』

この学校に入って、Aが居たことが一番の幸運な気がする。

俺一人だったら…はあ、本当に大変だったと思う。漢字が分かるから多少行けると思っていたのに、平仮名が思ったより使われていてびっくりした。

Aが僕の机に自分の机をくっつけて、教室の奥でまるで秘密の暗号のように日本語が飛び交う世界で中国語を話す。

これがどうも擽ったい気分になったけれど、何故か心地よかった。

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