🌸 ページ20
.
テスト期間も近づいてきて少しピリついた教室。
おじいちゃん先生が唱える歴史のあれこれを聞きながらふと隣を見ると、やたらと一生懸命何かをノートに書いていた。
するとロンジュンも私の方を振り向いて、ぱちっ、と目が合う。
『勉強してるの？』
RJ「え？ああ、」
ササッ、と隠されたノート。
…何がそんなに恥ずかしいのかな？
『日本語上手くなってきたの？美術部にも入ったし…』
RJ「少しは聞き取れるようになったけど…」
『ノート見せて、下手だって馬鹿にしないから』
RJ「あ、いや、…」
さっ、とノートを取りあげると、そこに書いてあったのは文字の羅列では無かった。
.
『…これ、』
RJ「あーもう、返せ」
授業を聞く、私の横顔。
驚いてロンジュンの方を振り向けば、机に伏せて今更寝たフリなんてしていた。
『…ロンジュン、これ貰っちゃダメ？』
RJ「…ダメ」
『何で？』
RJ「…俺が持っていたいから」
心臓がドクドクと高鳴る。
…待って、私の脳と感情が追いつかない。
RJ「…あ、違くて！その…修正とかしたいし、色も付けたいし」
『あ、うん…』
その後、私はロンジュンの目をちゃんと見れなかった。
.
.
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 790人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：ちょんぽむ
| 作成日時：2023年3月23日 11時
