ハッピーエンド（赤）

40話 ページ40

.





重岡「なぁ、今日なんの日やと思う？」





A「今日？…え、なんだっけ」





重岡「覚えてないかぁ〜まぁしゃあないよな」





A「なに？何の日？」





重岡「今日は〜

…じゃーん！
藤井流星、初の写真集の発売日〜！」





大ちゃんの手には 流星が出した初めての写真集。





A「え！うそ！発売日今日だっけ？
やばい、忘れてた…！」





重岡「うわぁ、A最悪や」





A「えーなんで昨日言ってくれなかったの？覚えてたんでしょ、昨日も」





重岡「Aも覚えてるもんやと思っててんもん」





表紙を開き、写真集を見る大ちゃん。





A「ねぇ、私にも見せて」





重岡「ええよ、一緒に見よ」





２人でソファに座り、見開きで大きく載っている流星を眺める。





重岡「かっこええなぁ、ほんまに」





A「ねぇこれほんとに流星？
あのアホで天然な流星なの？」





重岡「俺らの知ってる流星と同じ人とは思われへんよな」





パラパラと順番にページをめくっていくと、
笑顔の流星が写る隣に細かいプロフィールが載っていて。





A「見て、ちゃんと中学の時の部活演劇部って言ってる」





重岡「あ、ほんまや！」





A「木の役とか石の役しかやってなかったくせにね」





イケメンなくせにやる気がなくて、動かない役ばっかりやってた流星。





…それでも流星目当てで舞台を見に来る女の子たちは結構いたんだよなぁ…





重岡「あ、それもちゃんと書いてんで。
“ 木の役のスペシャリストでした ” って」





A「なにそれ、木の役にスペシャリストも何もないよね」





それをドヤ顔で言っている流星を想像するだけで面白い。






.

41話→←39話

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す