30話 ページ30
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そんないつもの会話をしていたら震えた私の携帯。
重岡「…どした?」
画面に表示されたのは
A「望から…」
“会いたい”
たったその一言だけ。
たったそれだけのメッセージだったけど これは多分望からのSOS。
いつもそう。昔からそう。
昔から望は 普段は甘え上手なくせに本当に辛い時は他の人を頼れなくて ひとりで抱え込む癖があった。
絶対に誰にも弱音は言わない。
そんなとき、いつも私は望の隣にいてあげることしかできなかった。
それでも望は ありがとう って
隣にいてくれて、一緒にいてくれて
なんにも聞かんとここにいてくれて ありがとう
そう言うだけで。
重岡「なぁ、誰?…望?」
大ちゃんの顔を見ることができない。
重岡「望んとこ、行くん?」
しばらく続いた沈黙に
重岡「…やめとき」
初めて聞く、大ちゃんの低い声。
A「え…?」
重岡「どうせお前また泣くやんか。
俺んとこ来て “ ふられた〜 ” って言うて泣くんやろ?
せやったら最初から行かんかったらええやん。
俺んとこおったらええやん。
…なぁ、やめとけや」
A「ごめん…ごめんね、大ちゃん…」
わかってる。そんなのわかってるよ。
でも…
私は無我夢中で走った。
電話…お願い、出て…
小瀧『…もしもし?』
A「望?今 どこにいるの?」
小瀧『さっきの店の近く…』
A「すぐ行くから!動かないで!」
…今すぐに会いに行かないと。
そう思った。
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ひのりーる(プロフ) - 一波さん» 前作、今作とコメントありがとうございます(泣)頑張ります^ ^ (2019年4月16日 23時) (レス) id: 7a7ddd48ba (このIDを非表示/違反報告)
一波(プロフ) - 更新分まで読み終わりましたー!この二人見てると微笑んでまいますね(^^)続き楽しみにしてます(^^) (2019年4月16日 2時) (レス) id: 9b260c34a2 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ひのりーる | 作成日時:2019年4月14日 1時