ハッピーエンドはまだ遠く (ページ27)

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＊2

「とりあえずこれ飲んだら帰るけど」

　これ、って言うのは多分テーブルの上にある、飲みかけの缶。飲み方の感じで、なんとなく残りの量を推測する。

　残り少ないであろうそれに、ちょっとだけ寂しいと思ったのも、きっと酔ってるせいやな。

「今日帰ったらできるとこまで準備するから、お昼ぐらいから一緒に買い物行かない？」

　多分足りない物いっぱいあるわ、って笑う目黒にこっちも笑顔になる。

「確かに！なんも持ってきてなさそうやもんな！」

　なんや、明日も会えるんや。そうやってわかったら、なんか嬉しくなってきて、ちゃんといつも通りの俺に戻れた気がした。

「あ、お昼ご飯はどないする？食べてくるか、一緒に食べるか……」

　お昼ぐらいって言われたから聞いたのに、目黒はぽかんとしとる。

「もしかして、あかんかった……？」

　なんかちょっと悲しなってきて、目黒の返事がある前にまた聞いてまう。そしたら首もげるでってぐらい、横に振られた。

「全然大丈夫！逆に誘ってくれて嬉しい。帰りにコンビニでなんか買って帰ろうと思ってたから」

　また嬉しそうに笑う目黒。俺、この顔結構好きやねんなぁ。

「あ、でもちょっとお昼遅めでも良い？準備もしたいし、足りない物チェックしたいから」
「ん、えぇよ。ほな13時か14時くらいにしよか？」
「じゃあ13時で！康二きゅんに早く会いたいし」

　また恥ずかしいこと言うて！
って、今日何回目かわからへん、拗ねたフリ。

　それを見て目黒はちょっと変な関西弁で「ほんまやで？」って、笑ってお酒を飲み干した。

「じゃあ、俺帰るけど、明日の場所とかは、帰り時間あるし調べて連絡する」

　わかった、って俺が言うたら、目黒はカバンを持って立ち上がる。