ハッピーエンドはまだ遠く (ページ18)

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　多分、俺が言ってたってゆうのは、最初の、敬語の話のやつやな。呼び方なんて、敬語なくなった時点で好きに変えてくれたら良かったのに。変なところで律儀やなぁと思う。

「じゃあ、呼び方変えよか？」

　まあ、ここはまだ、先輩の俺がお許し出したらなあかんかったんかな。そう思って話を進める。

「なんて呼ぼかなぁ。目黒やから、めぐ、くん？め、めー……、あ！めぐきゅん！」

　酔ってる勢いもあって、一瞬えぇの思い付いたと思ったんやけど、ちょっと可愛過ぎたかな。

「なにそれ！めっちゃいいじゃん！」

　考えすぎやったな。こっちも酔ってるからか、大ウケ。大爆笑。そんなおもろいかなって不安になるくらいには笑っとる。

「はぁー……。じゃあ、俺も康二きゅんって呼ぶわ」

　もう涙出るくらい笑ってるやん。しかも気に入ってもうてるし。まぁそれで喜んでくれてるならえぇか。
でもやっぱ恥ずかしいから、そう呼ぶんは二人の時だけにしよ。

　いや、いきなり名前は恥ずかしいから、苗字で考えたのに。これ意味あるんかなぁ。

「あー……、で、早速だけど、康二きゅん」

　やっと笑いがおさまったと思ったのに、また自分で地雷を踏んでいくめぐきゅん。いや、目黒。

「もぉ、なにー？」

　俺もちょっとおもろなってきてもたやん。

「康二きゅんは、行きたいとことかないの？」
「俺？俺はこの辺に住んどるし、特にないかなぁ。めぐきゅんは他ないん？」

　あー、やべ。って小さい声で笑いを堪える目黒。ちょっと笑いを抑えてこっちを見る。

「別にこの辺じゃなくてもいいじゃん。せっかく時間あるんだし、遠出しようよ」

　その選択肢は忘れとった。最初は大阪案内するっていう話から始まったから。

「それもえぇね！どこがえぇかなぁ」

　目黒の提案を受け入れたら、なんかちょっと楽しみになってきて、急に旅行気分になった。