番外編��-2 ページ39
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実はこのジュースにはちょっとしたエピソードがあってね。
それはまだ私が幼稚園児だった頃。
当時入院していたあられと、一度だけ脱走を企てたことがあった。
脱走っていっても、違う階にある売店になけなしのお小遣いを持って出かけただけ。
それでも、その当時あられはベッド上での絶対安静が条件だったし、後で相当怒られたけど。
だから売店での買い食いなんて、当時の私達からしたら大冒険のように思えたんだよね。
売店に行けば、ちょっとした玩具や絵本だってあるし、美味しそうなアイスもお菓子もたくさんあるのに、なぜかあられはジュースを選んだ。
それが、今さっき私が当たりくじを引いたあの炭酸飲料。
子供ながらに、そんなものでいいのかなって、不思議に思ったのを今でも覚えている。
“ジュースでいいの？ほかにもいっぱい、おいしそうなのいっぱいだよ？”
“あられはこれがいいのっ！だってCMでみたもん！おいしそうにのんでたんだもん！”
今思えば、そんなジュースのひとつも飲ませて貰えない入院生活を送っていたんだな、なんて切なくなってしまう。
それでもあのとき、あられは本当に嬉しそうにペットボトルに口をつけた。
そんな妹の姿と、目の前でジュース1本貰っただけではしゃいでいる康二くんが、どうも重なって見えて。
彼の顔面を凝視していたのは、自分でも無意識だったみたい。
向井「えっ、ちょ、そんな見んとってよ〜！照れるやん？俺の顔なんかついてる？」
「………いやっ、なんかその、思い出して。」
向井「思い出した？」
「妹とのエピソード、昔このジュース飲んだなぁって。」
向井「へぇ、あ、そっか！Aって妹さんいるんよな？確かライブも何回か見に来てくれてる………」
「うん、なんか、懐かしいな、って。」
向井「俺も昔、よう兄ちゃんが買ってくれたの覚えてるわ！」
「………なんか、いい、ね。」
向井「なにが？」
「たった150円のジュースに、なんか………なんていうんだろう。思い出とか、そういうのいっぱいあって………」
向井「こういうのが、『小さな幸せ』って言うんやで」
〜完〜
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まりも(プロフ) - mopi.さん» コメントありがとうございます！私自身書いていて、読者の皆様が幸せになれるお話を目指していたので、そのようなお言葉とても嬉しいです。パート�靴癲△發卦垢靴韻譴佛舛�に来てください♪ (2021年3月1日 20時) (
レス) id: a0fbd747c8 (このIDを非表示/違反報告)
mopi. - 読んでいて、幸せな気持ちになるお話ですね(´v`) 細かな工夫にとても驚きました…！ CSSも素敵で、大好きな作品です！ (2021年2月28日 23時) (レス) id: 5032226e23 (このIDを非表示/違反報告)
まりも(プロフ) - みみさん» コメントありがとうございます！質問の回答ですが、移行ボタンが表示されるのは、続編を作成しているからだと思います。その下書きはあくまでプロットとして作ったもので、お見せできる状態ではありませんが…。こんな回答で伝わりますかね？ (2021年1月28日 22時) (レス) id: a0fbd747c8 (このIDを非表示/違反報告)
まりも(プロフ) - ニナさん» コメントありがとうございます！文章力はまだまだ発展途上、日々どうやったら心情を細かく伝えられるのか研究中です…。今後も読んでいただけることを願って、更新頑張ります！ (2021年1月28日 22時) (レス) id: a0fbd747c8 (このIDを非表示/違反報告)
みみ(プロフ) - コメント失礼します。お話とても面白いです！これからも更新楽しみにしています！１つ質問なのですが、なぜいつも最後のお話の時にしおりを挟むボタンではなく移行のボタンになっているのでしょうか？私だけだったり、どこかでこの事について触れていたらごめんなさい。 (2021年1月28日 1時) (レス) id: c0cfac9697 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：まりも
| 作成日時：2021年1月15日 22時
