検索窓
今日:12 hit、昨日:4 hit、合計:14,647 hit

4 ページ4

K side

じわりと目に涙が浮かぶ。


怖い。急に知らないところに連れてこられて、刃物を向けられて。



なんで俺…。



?「なーんてね…って…わっ…ごめ、泣かすつもりじゃ」

K「…?」


?「ちょっと脅かそうとしただけで……ごめんな…?」




ぱっと表情に色が戻った男が、隅で座り込む俺の頭をくしゃっと撫でた。


その手は少し強引だったけれど優しかった。


K「なっ…」


先ほどとのギャップで俺の情緒はおかしくなりそうだ。



こいつは一体なんなんだ。




恐怖がまだ消えない俺は、掠れた声で男にたずねた。



K「おまえ、誰なの」

F「俺?俺は藤ヶ谷」


K「お前が俺を誘拐したの」

F「そうだね」



なんの罪悪感もなさそうな様子で飄々と答える藤ヶ谷というこの男。



K「なんで」

F「それはお前自身もわかってるんじゃない?金だよ金」



指で丸をつくりながら鼻で笑うように言う。



正直こいつが言う通り、俺は理由に検討がついていた。

わかりやすく言うと俺の家は金持ちだ。

父親が大企業の社長をしている。おそらく世間的にも有名なところ、なんだと思う。正直よくわかっていないけれど。



F「だから、身代金のためにお前には人質になってもらうってわけ」



K「……そんなにうまくいくかな」


F「なに?すぐ捕まるよとでも言いたいの」

K「いや…」



F「とりあえず明日、お前の父親に連絡するから」

K「………」



俯く俺と男の間に沈黙が流れる。
そのとき、俺のお腹から大きな音がした。







F「…ごはんにするか」

5→←3



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 10.0/10 (54 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
60人がお気に入り
設定タグ:藤北 , FK
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:あかつき。 | 作成日時:2023年5月31日 0時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。