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K side
藤ヶ谷から聞いた父親の衝撃的な話にしばらく言葉がでてこなかった。
F「だから君を誘拐したんだ。今思うと浅はかだったよ。宏光を誘拐したところで、相手はすぐに人を切り捨てるやつだ。結果はただ宏光を怖がらせただけだった」
K「…いや、俺を誘拐したからこうなっただけで、きっと弟のほうを誘拐してたらまた話しは違ったと思うよ。弟は愛されてるから」
F「宏光…」
K「でも俺は、藤ヶ谷に誘拐されてよかったと思ってる。日常に散らばる小さな幸せを知った。楽しくて、嬉しくて、あたたかくて…本当に幸せだと思った」
勝手に溢れてくる涙を止めるすべはなかった。
K「俺は藤ヶ谷と、一緒にいたい」
藤ヶ谷がその言葉に返事をすることはなかった。
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作者名：あかつき。 | 作成日時：2023年5月31日 0時
