復讐の先に (ページ24)

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F side

俺はずっと納得できなかった。
けれど相手が大きすぎて子供の俺には何もできなかった。

…もしかしたら、父親は全て知っていたのかもしれない。

父親が逮捕されたあと、半分だけ書かれた離婚届が見つかった。
犯罪者の家族というだけで生きにくくなるかもしれないからこれで自由になってほしい、と。

母親も最初はそんなことできないと届けを捨てようとしていたが、獄中から届く同じ内容の手紙たちに折れ、離婚した。

何年かして、父親は死んだ。

発症した病気が悪化して、と伝えられたけどこれで父親から真実を聞き出すことはできなくなった。

どうしても真実を知りたくて猛勉強して北山の会社に入った。名字が違うからだろうか。社長に会っても何かに気づく様子はみられなかった。

社内ではまだ一部で薬の売買が行われている現状があった。

実際に買いはしなかったけれど、興味のあるふりをして情報を集めた。

そこで明らかになった。

売買の大元は社長だった。

俺の父親が捕まった事件の主犯は父親を切り捨てた社長だったのだ。父親が逮捕されるときには、薬の反応が出て証拠になるように仕組まれていた。

主犯でありながら、他人に罪を着せて今も罪を犯し続け、のうのうと暮らしている。

どうしても許せなかった。

ただ、告発するにも社長が主犯という決定的な証拠が出てくることはなかった。

あくまでウワサレベル。

ここで告発してしまうと、薬の売買をしている下っ端の社員が全員切り捨てられて終わりだ。

昔とかわらない。それじゃあ意味がない。

真実を知って、俺は会社を辞めた。

あいつに突然家族がいなくなる悲しみを同じくらい、いや、それ以上の辛さを味わいさせたかった。

俺は、あいつに復讐を果たすことを誓った。