復讐の先に (ページ15)

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K side

お風呂へ入って、寝床につく。

藤ヶ谷も自分の部屋へと戻ったようだ。

しばらくして、部屋全体が闇に包まれる。

今日一日ほとんど寝ていたからかいつもこの時間にはやってくる眠気が襲ってこなかった。

先程までの頭痛に加えて、少しの気持ち悪さが顔を出してくる。

無理やりご飯を胃につめこんだからか、徐々にその気持ち悪さが吐き気に変化してきた。

藤ヶ谷を起こさないように、足音を潜めながらトイレへと向かう。
部屋は絶対に汚せない。

K「うっ…はっ…ごほっ…」

気持ち、悪い…。

吐きそうなくらい気持ち悪いのに、なかなか吐けない。

咳き込むと同時に涙が溢れてくる。

つらい、くるしいっ…。

だんだん頭がくらくらしてきた。

限界だと思ったその時、背中にあたたかさを感じた。

背中に触れたあたたかいその手は俺から苦しさを吸い取ってくれるようだった。

K「っはぁ…っはぁ……うぅ…」

F「大丈夫、大丈夫」

K「げほっ……はぁっ…」

F「一回吐いちゃったほうが楽かもしれないな。ちょっと苦しいかもだけど我慢して」

そう言うと、後ろにいた藤ヶ谷は背中をさすり続けながら、口の中に指を入れてきた。

喉を開くように舌の奥をおさえられる。

K「あぅ…ぅあ……げほっ…」

藤ヶ谷の指に引っ張り出されたように襲いかかる吐き気の波に抗えず、そのまま戻してしまった。

その間にも背中を擦る優しい手がとまることはなかった。