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気がついたら、早田先生の頬を叩いてしまっていた。
手に残る僅かな痺れが、その事実を物語っている。
痛みに顔を歪めた彼女を見て、ハッと我に返ったが後悔はしなかった。
だって、こんな事件を起こした所で実里ちゃんは帰って来ないし、報われもしない。
1年前の悲劇を繰り返しているだけだ。
「実里ちゃんは…こんな事望んでいないと思いますよ」
一粒、二粒と零れ落ちる涙で声が震える。
本当は泣きたくなんて無かったのに、悔しくて切なくて、我慢なんて出来なかった。
私の言葉に、早田先生は痛切な表情を浮かべると下唇を噛んだ。俯いた頬に、一筋の涙が伝う。
「…っう…実里っ…」
もうこの世には居ないその子の名前を呼びながら、どさりと膝から崩れ落ちた。
両手で顔を覆い、何度も何度も謝っていた。
ごめん、ごめんね、実里……と。
私はそっと傍によって、声をかけた。
「実里ちゃんの為にも、きちんと罪を償ってください…」
そして、実里ちゃんの分まで生きて、と。
彼女は他人だけでなく自分でさえも殺めようとしていたのだ。死んだ人間は戻らない、その事実から目を背けないでほしい。
実里ちゃんがいなくなって早田先生が悲しむように、誰かがいなくなれば誰かが悲しむ。
そんな連鎖反応が事態の裏側で起こることを、彼女も理解してほしいのだ。
「Aさんの言う通りですよ…」
「っ、ごめんなさい…」
安室さんが静かに、同調した。
目暮警部やコナンくんも、ただ何も言わずにその場を見守っている。
そんな時、着信を告げる電子音が鳴り響く。
それは目暮警部の携帯だったようで、電話を取った。
「はい、目暮だが」
うん、うんと何度か相槌を打つ。
そしてその後「おぉそうか！！」と顔を
通話を終えた目暮警部は、こちらを向くと満面の笑みで告げる。
「中野利央くんが一命を取り留めたそうだ！」
その言葉にわあっと声があがる。
早田先生は止まっていた涙を再び溢れさせた。
私はホッと安堵のため息をついた。
よかった、りおくんが無事で…
「それじゃあ、早田さん。行きましょうか」
「はい…その前に、A先生」
立ち上がった早田先生が、こちらを向く。
黙って目を合わせていると、深く深く頭を下げられた。
「ごめんなさい…そして、ありがとう」
「…全然！」
その顔には笑顔が浮かんでいた。
___こうして、波乱の事件は幕を閉じた。
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天桜＊(プロフ) - キリさん» はじめまして！コメントありがとうございます！！そうなんですか！嬉しいです〜！これから続編なのでそちらもよろしくお願いします！ (2019年7月13日 18時) (
レス) id: 4b54fd1f63 (このIDを非表示/違反報告)
キリ(プロフ) - はじめまして！とても面白くて一気に読んでしまいました！これからも応援しています！ (2019年7月13日 17時) (レス) id: c2c9e9fdb1 (このIDを非表示/違反報告)
天桜＊(プロフ) - 結さん» コメントありがとうございます！そういう事です〜！！ (2019年7月8日 20時) (レス) id: 4b54fd1f63 (このIDを非表示/違反報告)
結(プロフ) - 質問なんですけど、これ目暮警部もトリップしてるってことですか？ (2019年7月8日 12時) (レス) id: f755b3d80f (このIDを非表示/違反報告)
天桜＊(プロフ) - ピースサインさん» コメントありがとうございます！私もそれを狙っていたので喜んでいただけて良かったです〜！！頑張ります！！ (2019年6月7日 22時) (レス) id: 4b54fd1f63 (このIDを非表示/違反報告)
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