運命束縛〜逃げられない神隠し〜

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廉side









【速報です】








家族と一緒に晩飯を食ってたら、

速報のニュースが入ってきた。









・









【50年前に行方不明になったAAさん 当時17歳の遺体が

発見されました。






発見された場所は、Aさんが行方不明になった○○森の中で………】









俺は思わず、箸を床に落とした。









嫁「大丈夫？」



「…………あ……おん。」









心臓がこれでもか というほど

激しく脈をうつ。









しかも、Aの亡くなったのは

今朝らしい。









今朝っていうことは…………

昨日まで、普通に生きてたことになる。









どこで？誰と？どうやって？









気になることはありすぎるけど………

もうAは過去の記憶の人。









今さら、首は突っ込めん。









【警察は殺害の可能性は低いと判断しています………】









その言葉にほっとする。


亡くなってしまったことに変わりはないけど、

殺されたんやなくて………

年で………とか……そういう死に方なんやったら



まだええ。そう思った。









・









Aにもう一回でええから、

会いたかったな。









初恋の人と………こんなに早くに別れるとは当時は思ってへんかった。









・









もしかして………Aはほんまに…






神隠しにあってたんかな…………？









・









いろんなことを考えすぎて、

涙が止まらんくなった。









家族に心配されながら、

ベランダに出て空を見上げる。









・









「A……………助けられんくてごめんな……」









神隠しなんて、バカにしてたけど

もっとAの言うことを信じてやればよかった。









そばにいてやればよかった。









今、後悔しても遅いねんけどな。









・









・









そんな、俺を許してくれるかのように

暗い夜空を一つの流れ星が

キラッと輝きを放ちながら流れていく。









A「廉、泣いてんの!?

珍しい〜！貴重だから写真撮っとこ(笑)」





そんな、元気なAの声が聞こえた気がした。









『………ふふっ……元気そうでよかったわ。』









淡い青春の恋は夜空に

神隠ししてもらうことにして、









・









俺は何事もなかったかのように

家族のもとへ戻っていった。









【Fin】

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