-S- loving you.Ⅱ (ページ16)

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「…………死刑……」

そう呟く彼女の声は、
やはり震えていました

長い間、僕達の間には沈黙が流れました

いや、
もしかしたら短い間だったかもしれません

重苦しい時間であることは間違いありませんでした

「……私、

こんな所に隠れるみたいに住んでるから…それに…

あの後色々あって…

世の中に目を向ける余裕なんて、なくて……」

そこまで言うと、また少し黙る彼女

「いや……違う…違うんです。

…本当は…ずっと、、怖かったんです。

…知ることが怖くて、

何も見ないように、聞かないようにしていました…」

「西野さん……

……あいつは、とにかく、
拘置所でも真面目でした。

刑務官達も皆、口を揃えていました…でもあいつは、

僕以外、誰にも胸中を明かすことはありませんでした…」

「……神宮寺さんは、彼の…

心の拠り所だったんですね…」

そっと、微笑みながらそう言いました

「いやいや、
最初は僕にも心を開いてくれませんでしたよ」

僕は思わず苦笑しました

確かあいつと親しくなったのは、

"あの日"だったと思います

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