-S- loving you.Ⅱ (ページ2)

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52. ページ2

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母の言葉は、私にはすべて嘘に聞こえる
けれど、嘘だとわかっていても
どうしようもなく不安になる自分もいた

…私のそれからの日常は、ひどく退屈なものだった

朝起きて、ご飯を三食食べて、お風呂に入って、また寝る

外には出られない
近所の目と、マスコミが見張っている

誘拐される前よりももっと、私の生活は退屈なものになってしまった

カウンセリングもいくつか受けた

体調が少し崩れれば、母は病院に連れていった

事件以来、母はこんなに過保護になってしまった

それのどれもが、
私にとっては意味のない行動だということを私は知ってる

空を眺めても、
夜の薄暗い闇の中にいても、

何をしてても脳裏に焼き付いている彼にリンクする

彼との思い出だけしか思い出せない

四六時中頭に浮かぶのは彼のこと

母は、目ざとかった
そんな私にすぐ気づいてヒステリックに声を上げる

私は何処へもいけない

何者にもなれない

ここは地獄
生き地獄だ

この世界に生きる意味なんてなくなってしまった

グレーのパーカーを握りしめて、何度泣いたか

私の帰る場所は、何処にもない

私はとうとう、この世でひとりぼっちに
なってしまった

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ありがとうございます；＿；

期待に応えられるよう、出来るだけ早めに更新いたしますのでこれからもよろしくお願いします！