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「ショウ、お前そろそろ外へ出るか？」
「…あぁ、エヌ、何か買うものは」
「色々ある。
…それによ、この女身重になられちゃ面倒だ、頼むよショウ。」
下劣だ
こいつらはどこまでも下劣だ
一瞬私の方に目を向けたショウと目が合った
相変わらずの冷たい眼
「…んじゃ、行ってくる」
「おー。見つからねーようにな」
エヌとエックスは居間へ戻っていくと、横になった
しばらくすると2人とも寝てしまったようで、
部屋にはテレビの音といびきだけが響いた
…逃げるなら今しかない
怖いけど、でも今なんとかしなきゃ
いつかは殺 される
首輪はあまり太いものではなく細身だった
ふと、調理台の上にハサミが乗っているのに気がついて、手を伸ばす。
あと少し…
居間から聞こえるいびきに聞き耳を立てる
指先が震えて、心臓が大きく鳴る
指先がハサミに触れ、ようやく手のひらに収める
深呼吸をして、首輪に刃を当てる
下手したら自分で自分の首をかき切ってしまいそうなほど、ギリギリのところで刃を動かす。
早く、早く切らなきゃ
そう思えば思うほど力が入らない
切っ先を突きつける恐怖と、
もし見つかった時の恐怖がどんどん私がを焦らせていく
あとどれくらい動かせばいい？
早く 早く 早く 早く 早く
おもいきって、ハサミに力を入れる
もし首が切れても構わない
早くここから出られるなら…
．
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作者名：m
| 作成日時：2017年5月19日 1時
