-S- loving you. (ページ41)

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寝室の、ベッドの下

2人で身を寄せあって並ぶ

彼の左手と、私の右手はしっかりと、握られている

「…あのニュースで言ってたことは、全部本当。

俺と、今まで母親だと思ってた愛子は全くの他人ってことがわかって…

俺、あの日のことあんまり覚えてないんだ」

あの日

きっと、彼が父親と母親を自らの手で殺めた日

ゆっくりと、彼の口から語られる

「あの日、俺はたまたま聞いてしまって……」

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「ねぇ、あの子もうすぐ20歳になるんだし、
あの事…言った方がいいんじゃないかしら？」

「そうだな…紫耀も、もうすぐ20歳か」

夜中に目が覚めた俺は、
喉の渇きを潤そうと、リビングに入ろうとしたところで、
２人のそんな会話が聞こえて、リビングの扉を開けるのを躊躇った

「…私が本当の母親じゃないって、
知ったらあの子…どう思うかしら」

「もうガキじゃないんだ。最初は驚くだろうが、わかってくれるさ」

本当の母親じゃない？
聞き間違いなんじゃないかと思った

「それに…これだけじゃないでしょう？本当の母親のことも言わなきゃよね？

…自殺したって…

…私たちが追い込んだようなものでしょう…？」

「それは言わなくていいだろう？

事故ってことに…なってるんだ、

だから言わなければ、いいんだ

…黙っていれば、わからない」

ーーーーー

…それからが、よく覚えていない

気がつけば自分の手は血に濡れていて

目の前に横たわる自分の親、だった人

悲しみも何も感じなかった

手に残る、
ナイフが肉を裂く感触

…そこには憎しみだけが残った

.