-S- loving you. (ページ5)

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『…っ…』

降りろ、

そう言われても
私の体は力が入らず重くて、起き上がれない

「…あいつらは自分自身を満たすためだけに、あんたをここに連れてきた。それだけ。」

私は何も答えることが出来ない

「行くぞ」

その男は私を縛っている縄を解くと、腕を引いて車から降ろした

廃墟のようなアパートに入ると、
先ほどの2人があぐらをかいてテレビを見ていた。

ここが彼等の住処らしい

「よおショウ、嬢ちゃん降ろすのに時間かかりすぎじゃねぇか？さてはもう、一仕事したのか？」

「…俺はお前らみたいに無理矢理すんのは好きじゃない」

「はあ？まさかお前、愛が大事とか言うんじゃねぇだろうな」

「エックス、お前は馬鹿かよ、一家惨殺するよーな奴が愛を語るかよ、なあショウ、」

一家惨殺

その言葉だけが頭をぐるぐると回る。

…この人ならやりかねない

「逃げられたら困るからなぁ、嬢ちゃん、勝手口のとこに繋いどけよ、確か首輪あったろ」

「…今度はうるさいからってバラバラにして殺
すなよ」

ショウと呼ばれた男は、
勝手口に私を連れていくと黙って首輪を私にはめた。

「…」

氷のような冷たい眼、まるで色がない

ショウはそのまま居間へ戻っていった

…これが"監禁"というものなんだ

首輪を付けられてしまえばもう逃げられない

居間のふすまの扉が開かれて、

エヌが私のもとへ来た

「そーいや名前聞いてねぇな、名前なんてゆーの？ん？」

下を向くと無理矢理首あたりをつかまれて上を向かされた

「黙ってないで教えろよ」

『……Aっ……』

声が震える

痛い

ギリギリと音が聞こえそうなくらいに力を入れられる

「へぇ、Aちゃんか、言うこと聞いてもらわないと殺しちゃうかもな～」

『………んん…』

「エヌたいがいにしろよな、貴重なオモチャなんだからショウが怒るとこええぜ」

「はっ、どうなんだか…ハタチのガキのくせにいっちょ前にこええから厄介だな」

そう言うと私の首から手を離して、また再び居間へと戻って、ふすまの扉をすべて取り払った

「監視、しないとな」

にやっと笑うエヌとエックス

ショウは壁に背をあずけて
窓の外をじっと、見ていた

．