-S- loving you. (ページ28)

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28. ページ28

＊＊＊

それは、

帰るか、帰らないか
生きるか、死ぬか

そういうことなのかな

もういいのに

「…10...9」

耳元で彼の低音の声が囁くように数を数えていく

ぎゅっと、
彼の腰に腕を回した

目を閉じて、その数の終わりを聞く

「…4…3……2…1…………0」

ゼロになった瞬間

抱きしめる彼の力が強くなった

首筋に顔をうずめて強く強く抱きしめてくる

「…もう…知らんから…」

『…紫耀さんっ…』

「………泣くな…殺しはしない…」

『……っ…』

「俺は、お前を

……………殺せない」

この優しさは本当だと信じたい

いや、もう信じている

両手で彼の頬に触れて、

自分の唇を押し付けた

それに応えるように、
彼も私の腰をぐっと引き寄せてくる

彼の、紫耀の手と唇が何度も触れるたびに熱が伝わってくるから
その熱が、私の、知らない私を引き出しているみたい

彼の熱い舌が入ってくる

息が続かなくて、顔を離そうと横を向くと、逃がさないとでも言うように、また塞がれる

『……ん…ん…っ………』

「………っ………は…ぁ…A…

……………好き…っ…」

息が上がる

好きだと囁く彼の優しい眼差し
胸が締め付けられる

『…私も…好き…っ紫耀が、好き…』

2人とも泣いていた

罰が当たるかな
でも彼となら辛くない

…私たちには

どんな罰が下りますか？

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