～私の知らない過去～【FFI編】第９幕 (ページ18)

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A「…………フィディオ…………？」

私の顔を覗き込むように見つめるフィディオ。

月の明かりに照らされて、瞳が輝いて見える。

A「何で……ここに………？」

フィディオ「………………」

フィディオは何も言わずに、私の隣に座る。

私とフィディオの隙間は、約10cm。

そして、フィディオが口を開く。

フィディオ「ここは、オレのお気に入りの場所なんだ。」

フィディオは海を見つめる。

私はそんなフィディオの横顔に、思わず見とれる。

A「………そっか……//」

何だか自分が恥ずかしくなって、俯いてしまう。

A「………………」

フィディオ「………………」

長い沈黙。

会話をするわけでもなく、ただ海を見つめる。

時々話しかけようとしてみたけど、何故か言葉が出て来ない……。

月の光に照らされたフィディオは、いつもより格好良く見えて……//

・

・

A(……って!!! 何考えてんだ私ぃぃい!!!!////)

足に顔をうずめる。

こんな表情(かお)、フィディオに見られたくない…!!!//

・

フィディオ「A……」

フィディオがゆっくり私の名前を呟く。

A「な、何…？」

フィディオ「何かあった…？」

唐突な質問に、数秒間硬直。

A「……なんで……？」

フィディオ「いつものAより、元気が無いから。」

A「そ、そんな事無いよー!!!! 全然いつもの私!!!!」

両手をブンブン振って誤魔化す。

何で嘘をついてしまうんだろう………。

本当は………苦しくて………辛くて………

助けてほしいのに…………!!

・

フィディオ「嘘だ。 Aが元気の無い事くらい、すぐ気付く。

　ずっとキミの事、見てきたんだよ………？」

・

ﾄﾞｷｯ＿＿＿＿＿

A「っ………///」

真剣な眼差しを向けるフィディオ………。

ねぇ？

どうしてこんなに、胸が熱いの？

心臓の動くペースが、格段と速くなって…

胸がギュッと締め付けられる……………。

・