～私の知らない過去～【FFI編】第６幕 (ページ47)

今日:10 hit、昨日:2 hit、合計:130,617 hit

～２７５～ページ47

ミスターＫ「私はお前の本当の両親を殺し、義理の両親も事故に落とした。
　おまけに、涼野風介と実の兄妹という記録をハッキングしたのも私だ。

　お前はその事で、私に恨みがあっても可笑しくない。
　南野…………いや、涼野Aの人生を狂わせてしまったのだから……」

A「……もう気にしてない！」

ミスターＫ「っ!!」

A「って言ったら嘘になるけど……」

私は胸に手を当て、言葉を続けた。

A「それでも……ルシェの手術の件を知ったら憎めない。
　むしろ、私もルシェが大好きだから、感謝するべきだよ！」

ミスターＫ「……お前の両親を、義理の祖父母も殺したんだぞ…!!?」

A「あぁ……あの悲しみ、忘れたことなんて無い…!!」

ミスターＫ「なら何故…!!!」

A「影山はルシェを助けてくれた!!!
　あんな幼い子の病気を治して、夢を与えてくれた!!!!

　それが、今までやってきた罪の償いじゃなくても……

　私の胸には、優しい心を……暖かい心を持った影山零冶が存在している!!!!」

ミスターＫ「っ……!!!!」

A「お父さん達の事は、許したわけじゃないけど……

　ルシェを助けてくれた、その優しい心があるなら………
　私は影山の事を信じたい……!!!」

ミスターＫ「不思議な奴だ……。

　自分の憎しみの気持ちを殺し、他人の事を優先するなど……」

A「ルシェは私にとって、大事な存在だから…！」

影山はうっすら笑みをこぼした。

ミスターＫ「私がこんな言葉を口にすることは無いと思っていたが……

　ありがとうフィディオ、A。そして鬼道…!!」

フィディオ「監督…」

A「影山…!!」

鬼道「総帥……」

警察と共に会場を後にする影山を、私達は最後まで見つめていた。

＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿

―警察署入り口前―

ミスターＫ「……こんな青い空を見るのは、いつ以来だ……」

眩しく光る太陽を、鳥達が遮りながら飛んでいく。

ミスターＫ「もう、やり残す事は無い……」

・

・

・

・

ｷｨｨｰｰｰ!!

ｶﾞｼｬｰｰｰﾝ……!!!!

・