～私の知らない過去～【FFI編】第６幕 (ページ36)

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A「でも、どうしてヒデさんがここに？」

ヒデ「ちょっとね……」

その時、女の子の高い声が聞こえてきた。

「オジサンどこかなぁ？」

ミスターＫ「ルシェ!!!?」

A「えっ!? ル、ルシェ!!!!?」

階段近くに目を向けると、そこには間違いなくルシェが居た…!!

ミスターＫ「ナカタ、どういう事だ!!?」

ナカタ「お言葉ですが、ルシェの願いなんです。

　目が見えるようになったら、最初にあなたのサッカーが見たい…と…」

A「目が…!!?」

・

ナカタ「これが最後なんじゃないですか？」

ミスターＫ「何…!?」

ナカタ「今日を最後に、あなたの試合は見られなくなる。
　前半の戦いを見て分かりました。

　あなたはもう、過去のあなたではない。

　もう自分から逃げることもない……」

鬼道「………」

ナカタ「ルシェは、あなたの策略の巻き添えで大怪我をしてしまった。
　サッカーとは何も関係が無かったというのに……

　その事が、心のどこかに引っかかっていたんでしょう？

　だから病院に居るルシェを見舞った。

　そこでルシェを目の病気の事を知り、
　励ましの手紙と共に手術費用も送っていた。

　ルシェのために何かする事で、少しだけ救われていた……
　違いますか？

　あなたの心は、闇の中を抜け出したがっていた……」

ルシェ「オジサン…？」

ミスターＫ「ルシェ……」

ルシェ「その声……やっぱりオジサンだ!!!!

　オジサンのおかげで、私の目見えるようになったんだよ！」

鬼道・A「っ!!!!」

ルシェ「オジサン、ありがとう！」

ミスターＫ「私は、キミに感謝されるような人間ではない…」

ルシェ「そんな事ないよ!!!
　オジサンは私に手術を受けさせてくれた!!!
　手紙で励ましてくれたもの！

　私、サッカー勉強する!!!
　オジサンと、もっと一杯お話ししたいから！」

A「ルシェ……本当に、目が見えるのか……？」

ルシェ「？……もしかして……

　Aお姉ちゃん!!?」

ルシェは私に抱きついてきた。

ルシェ「この前おやきくれたお姉ちゃんだよね!?
　ずっと会いたかった!!

　私ね、目見えるようになったんだよ!!」

A「ルシェ……

　影山……ルシェのために……ありがとう！」

影山は何も言わず背中を向けた。

でも、その背中に闇は宿っていなかった。