～私の知らない過去～【FFI編】第６幕 (ページ34)

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A「おーーーい!!!! ヒデさーーーん!!!」

私は周囲の視線もお構いなしにオルフェウスベンチへ駆け寄った。

アンジェロ「Aちゃん!?」

円堂「おい!! A!!!」

A「ヒデさん、覚えてますか!!?
　私の事！」

ヒデ「あぁ、覚えてるよ。A。
　キミの事、一時たりとも忘れた事なんて無かった…」

ヒデさんのその言葉に、私は更に胸が高鳴る。

円堂「A、この人と知り合いなのか？」

マルコ「そうだよ、説明してくれ！」

A「ヒデさんは私の“恩人”なんだ！」

全員「恩人？」

ヒデ「恩人だなんて、大袈裟な…」

A「いえいえ！
　あの時ヒデさんが居なかったら私、どうなってたか……」

吹雪「本当に何があったの？」

私はヒデさんに出会った日の事を話し始めた。

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―９年前―

A(５歳)『いっくよーフィディオ！』

フィディオ(５歳)『よーし！こい、A!!!』

幼い頃の私とフィディオは、毎日空き地でサッカーをしていた。

小さい頃からサッカーは好きだった。

どうやってサッカーと出会ったのかは分からないけど……。

その日も、いつものように２人で遊んでいた。

けれど……………

フィディオ『えい！』

フィディオの蹴ったボールをトラップミスしてしまい、

ボールは道路へ転がってしまった。

A『ごめんフィディオ！すぐ取ってくるね!!!』

私は道路に出て、ボールを取った。

その時、

ﾊﾟｯﾊﾟｰｰ!!!

A『え………？』

……大型のトラックが勢い良く走ってきた……！

フィディオ『A!!!!!』

恐怖で声を出す事も、逃げる事も出来ない＿＿＿＿＿

あと５ｍ

３ｍ

２ｍ

１ｍ

・

次の瞬間、体が中に浮いた

そして、ドサッと背中に冷たいコンクリートを感じた。

でも、体に痛みは無い。

血も流れていない。

『危なかった…………

　キミ、怪我は無いかい？』

次に聞こえたのは、その声だった。