～私の知らない過去～【ＦＦ編】第４幕 (ページ47)

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～１７２～鬼道side ページ47

源田達の見舞いに行ったオレは、円堂の家へ向かっていた。

源田や他のみんなの悔しそうな顔が、頭に焼き付いている。

オレは歩きながら、世宇子への憎悪で頭がいっぱいだった。

そんな時、明るい大きな声が聞こえた。

南野だ。

いつもと変わらぬあの笑顔で、南野はこちらに駆け寄ってくる。

そのまま、迷子状態だった南野と共に円堂の家へ向かう事になった。

自分でも不思議だが、南野と居ると心が安らぐ。

さっきまで心の中につっかえていた物が、無くなっていく感じ。

あまり表情が表に出ないオレだが、南野と居ると自然に笑みがこぼれる。

何故なんだろうな。

A「いいよ、Aで！

　私達の仲だろ？」

そう言われた時、正直驚いた。

普通この歳で男女が２人で歩いていると、恋愛方向に考えるのが一般的。

しかし南野は、こういう事も平気で言う。

また眩しい笑顔をこちらに向ける。

A「そして、困った時は肩を寄り合わせて相談できる、大切な友達だ！」

友達……か。

そうだ、南野はこういう奴なんだ。

サッカーバカなお前は、オレの胸の高鳴りにも気付かない。

あくまでオレは、仲間で友達。

何だか、悔しいな……。

ｺﾞﾁﾝｯ!!

A「痛っ!!!」←

鬼道「大丈夫か？」

電柱にぶつかって頭を押さえながら、また笑っている。

そんなお前を見ていると、こっちも笑わせられる。

そそっかしいな、まったく。

だからお前から、

Aから目が離せないんだ。

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A「こんばんはー！」

円堂「A！鬼道！
　上がれよ、みんな来てるぞ！」

A「おぉ！おじゃましまーす！」

相変わらず声がデカい。

本当に、子供みたいだ。

A「鬼道、早く早く！」

ピョンピョン飛び跳ねるAを見ると、

つい、可愛いなんて思ってしまう。

さっき、悩みがあったらどんどん相談しろとか言っていたが、

それはお前にもそのまま言えるからな。

男勝りとはいえ、お前は正真正銘女の子なんだから。

それに、ああいう言葉は本来男から言う物じゃないのか？

オレの考え方が古いのか？

A「よーし、行こうぜ！円堂の部屋！」

いや。

Aが例外なだけだな、きっと。

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