～私の知らない過去～【ＦＦ編】第４幕 (ページ44)

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一之瀬「このチーム良いね！
　秋はこんな奴らとサッカーやってたんだ。」

秋「羨ましいでしょ？」

一之瀬「Aも、凄いよね。
　男の子だらけの中で、スタメンなんだろ？」

秋「あの子も、円堂君みたいなサッカーバカだから。」

一旦練習から抜けた一之瀬は、ベンチで再び秋ちゃんと談笑する。

一之瀬「でも、オレのアメリカのチームも負けてないよ。」

秋「一之瀬君……本当に元気になったんだね。」

一之瀬「心配かけてごめん……

　でも良かった。
　２人がオレのこと、許してくれて……」

しばらく無言になり、秋ちゃんはグランドに目を向ける。

その時、一之瀬はある事に気付いた。

それは秋ちゃんの、円堂に向ける視線が熱を帯びていた事に。

一之瀬「……好きなんだね、円堂の事。」

秋「えっ……!?//」

一之瀬「分かるよ。
　オレも円堂の事、好きになっちゃったから。」

秋「わ、私は円堂君の事、そんな風に考えた事なんて……//」

必死で誤魔化そうとする秋ちゃんを、一之瀬はジッと見つめる。

秋「もうっ……//」

なんて会話をしていても、２人の顔には笑顔が浮かんでいた。

・

一之瀬「円堂。

　仲良くなった記念に、一緒にやりたい事があるんだ。」

円堂「いいぜ！やろう！」

一之瀬「協力してくれ、土門。」

土門「まさか、アレか？」

一之瀬「そう！

　“トライペガサス”さ！」

前に一度聞いたことのある名前、トライペガサス。

それを円堂・一之瀬・土門の３人でやるらしい。

円堂「何かワクワクしてきたぞぉ!!!」

A「頑張れよ、円堂！」

円堂「おうっ！」

・

円堂「はあ……はあ……」

汗をたくさん流し、地面に寝そべる円堂。

同様に、土門と一之瀬も地面に腰を着いて息を切らしている。

土門「また失敗か～……」

一之瀬「３人の息が、まだ合ってないんだ……」

さっきから何度も何度もチャレンジしているが、一向に成功しない。

一之瀬「この三角が失敗の証さ。
　３つの直線が、１つの点で交わった時が成功なんだ。」

グランドを見てみると、確かに３人が走ることで発生する痕跡が交わってない。

それも、円堂だけが点から外れているようだ。

円堂「よし、もう一度だ！」

一之瀬「うん！」

土門「しゃあねえ……やるか！」