～私の知らない過去～【ＦＦ編】第４幕 (ページ25)

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―次の日―

いよいよ全国大会二回戦がやってきた。

私はアップを済ませた後、控え室に忘れ物を取りに来ていた。←

A(すーぐ忘れ物しちゃうんだよな～……この癖直そう。←
　でも、試合開始までまだ時間あるし、急がない急がない。)

そう思いながら歩いていると、

A「あれ？」

私の目の前に、キーパーグローブが片方落ちていた。

それを拾い上げて見てみてると、『千羽山中』と書いてあった。

A(千羽山のグローブじゃないか！
　届けたほうがいいよな……

　千羽山の控え室に行ってみよう。)

・

しばらく行くと、【千羽山中控え室】のプレートがある部屋を見つけた。

その部屋の前には、人が１人、何やら困っている様子で居た。

？「ん～……無ぇズラ……」

千羽山のユニフォーム、しかもキーパー用を着ていた。

A「あの！」

？「ん……？」

私はキーパーグローブを差し出した。

A「これ、もしかしてキミのか？
　そこに落ちてたんだけど……」

？「ああ！オラのグローブだ！」

キーパーグローブを受け取り、その人は満面の笑みで喜んだ。

？「すまねぇ！

　ありが…………」

その時、初めて私の顔をちゃんと見たその人が、

“ありがとう”の言葉を何故か止めた。

そして、私の顔をまじまじと見てくる。

A「ど、どうしたんだ？」

？「……あんた、すっげぇ可愛いズラな//」

A「えぇっ!!?//」

唐突すぎる言葉を言われ、思わず顔が赤くなった。

？「オラ、千羽山中キーパーの綾野勇一ズラ！
　これから雷門中ってとこと試合ズラよ！」

そして突然自己紹介をされた。←

綾野「あれま、あんたも雷門中ズラか？
　しかもユニフォーム……選手ズラね！」

すごい勢いでベラベラ喋る綾野に、私は頷くしかなかった。

綾野「これから試合始まるズラ！
　グラウンドまで一緒に行こうズラ！」

綾野は私の手を掴み、ぐいぐい引っ張る。

A「あ、あのさ！
　私……あの～……トイレに……」

綾野「小便ズラか？
　なら終わるまで待つ((A「大丈夫だから！」←

綾野「じゃあ、先にグラウンドに行ってるズラ～!!」

そう言い残すと、綾野はすぐさま去っていった。

A「た、助かった……」←