～私の知らない過去～【ＦＦ編】第４幕 (ページ16)

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―Aside―

A「でっけ～!!」

鬼道の家に招待された私と円堂は、家の前で口をあんぐりと開ける。

円堂「わ～っ!!! すっげえ!!!」

A「広いな～!!」

家の中に入っても、私達の興奮は収まらない。

円堂「兄弟とか居るの？」

鬼道「知ってるだろ、春奈の事。」

円堂「あーいや、そうじゃなくて………うわっ!!!!!」

よそ見をして歩いてた円堂が物を壊しそうになった。←

間一髪で破損は免れた。←

円堂「こ、この家には居ないの？」

鬼道「オレだけだ。」

円堂「マジ!!?
　こんな広い部屋に１人かよ！」

A「わーーい!!! ふっかふかだーー!!!」←

一方私は、ふかふかのソファーをトランポリンのようにして遊んでいた。←

A「円堂やっほー!!!
　……って、うわぁあ!!!」

が、体制を崩してソファーから勢いよく落ちてしまった。←

鬼道「……ふっ……」

そんな私達を見て、鬼道は静かに笑った。

A「鬼道？」

鬼道「すまない。
　なんだか、幼い子供のように見えてな……」

円堂「ん？すっげぇ古いサッカー雑誌だな。」

部屋を歩き回っていた円堂は、棚にあった１つの雑誌を手に取った。

鬼道「あぁ、それか。」

A「だいぶ色褪せてる……
　発行日も、20年くらい前の物じゃないか。」

鬼道「オレが何でサッカーをやり始めたか、知ってるか？」

円堂・A「ううん。」

鬼道「だろうな。
　オレだって人に話すのは初めてだ。」←

A「なんだよ;;」←

鬼道は雑誌を見つめて、少し寂しげな表情を浮かべた。

鬼道「オレの両親、飛行機事故で死んだんだ……」

円堂「えっ……」

A「飛行機事故……？」

鬼道「父さんも母さんも、海外に居る事が多くてさ……
　オレと春奈は２人っきりだった。

　そしてあの事故で、本当に２人っきりになっちまった……」

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『可哀想に……』

『こんな小さな子供を残して……』

『これからどうするのかしらねぇ……』

『これが、たった１つの遺品だ。
　大切にしなさい……』

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鬼道「家族の写真一枚残ってない……
　小さかったから、父さんと母さんの顔も分からない……

　これだけが、父さんとオレを繋いでくれる……」

鬼道は雑誌を強く握りしめた。